最近、ユニケージ開発手法なるものがあることを知りました。この手法について気になったので、「ユニケージ原論」という本も買って読んでみました(税抜きで4000円と高かったですが・・・)

- 作者: 當仲寛哲,山崎裕詞,熊谷章,熊野憲辰,木ノ下勝郎,山科敦之
- 出版社/メーカー: USP研究所
- 発売日: 2010/07/31
- メディア: 単行本
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USP研究所が提唱している開発手法なのですが、この手法が良品計画・成城石井・東急ハンズといった企業で導入され、システムの内製化に成功したそうです。
詳細な導入事例は以下になります。
この手法では、すべてUnix/Linuxの既存コマンドと、一部独自実装のコマンドを組み合わせて、bashなどのシェルスクリプトを組むことにより、速く安くシステムを作ることができるのだそうです。
驚くべきことに、リレーショナル・データベース(RDB)は使わないとのことです。生じたデータはUnix/Linuxのファイルシステム内にテキストファイルとして保持し、必要に応じてテキストファイル内の生データを加工することによってレポート・帳票などをつくりだすのだそうです。
シェルスクリプトであれば、比較的難易度も低く習得がしやすいため、プログラミング経験の比較的少ないユーザ企業側のシステム部の人員であっても内製化しやすく、現実に則したシステムをつくりやすいだけでなく、コードの行数も非常に少なくて済むのだそうです。
ユニケージ開発に関する他の利点としては、
- シェルスクリプト自体が詳細設計として使える。設計ドキュメントを作らないので早い
- 実装が容易なので、プロトタイプがつくりやすく、動く形にしやすい
- コード行数が少ないので、内部実装を理解しやすい、それに伴って機能追加も容易
- 少ない人員・予算で速くシステムを作り上げることができる
といったことがあるようです。
シェルスクリプトだけだと、パフォーマンスに不安を抱くと思うのですが、シェルスクリプト自体はOSが本来持っているマルチコア最適化の恩恵を受けやすく、オーバヘッドが少ないとのことです。コンピュータのリソースを浪費するミドルウェアも介在させないため、むしろ既存のシステムよりも高速に動作するのだそうです。
自分自身、日本のSIerにおける開発体制には常日頃から疑問を抱いていたので、こんな手法もあるのか!という点で非常によい勉強になりましたし、これからの開発にも生かせそうな手法だなと思いました。
その他にUSP研究所が出版・監修している書籍には以下のようなものがあります。

- 作者: A.V.エイホ,P.J.ワインバーガー,B.W.カーニハン,足立高徳
- 出版社/メーカー: USP研究所
- 発売日: 2010/01/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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フルスクラッチから1日でCMSを作る シェルスクリプト高速開発手法入門
- 作者: 上田隆一,後藤大地,USP研究所
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2014/07/01
- メディア: 大型本
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また、USP研究所はUSP友の会といった勉強会も主催しているようです。